2013年9月19日木曜日

2.4GHz

RCgroupsでFLYSKYの送信モジュールをHackするというスレッドがあり、その関連で興味本位でいろいろと調べたりしてます。

2.4GHzのラジコンの送受信システムは、そもそも2.4GHz帯の無線LANとかBluetoothとか用に作られたRF-ICをベースに作られているようです。

中華通販サイトやebayを徘徊すると、それらのチップを小さな基盤実装した送受信モジュールが手ごろな価格で売られています。

チップの種類は3〜4種類くらいしか無いようで、RCgroupsを読んでいるとどのメーカーがどのチップを使っているとかいう情報も得られるようです。

ちなみに、これらのモジュールの変調方式はFSKかGFSKがメインで、いわゆる直接拡散で変調をかけているDSM方式のモジュールは少数派のようです。

世界のプロポセットがそんな感じですから、おそらく日本のプロポセットも似たようなもんじゃ無いかと思います。特にフタバの高い方の2.4Gシステムは、他社から対応する受信機がリリースされたりしているので、間違いないんじゃないかと。

ただ、RCgroupsでは日本のメーカーのプロポをhackしている情報は見つけられませんでした。もともと高いからhackの対象になりにくいのかな・・・。


で、最初に書いたFLYSKYのモジュールをHackするスレッドを読んでいると、いろいろなことがわかって面白いです。

FLYSKYのシステムはFHSSです。でも、送信モジュールはFSK方式。すなわち、FSKの変調波をあらかじめ決められたサイクルで中心周波数を変更して送信しています。

FSKのビットレートは多分500kbps。これを1.4msecくらいの周期でホッピングさせてるようです。16回飛んで元の周波数に戻ってきます。つまり、22msecとかで1周回ってくる感じですね。

1.4msecに一度送信するときのデータ長は30バイト程度ですので、実質のデータレートはそんなに高くないことになります。ざっと計算で10kbps程度ですかね。この30バイト程度のデータの中に、1〜8chまでのPPM信号でのパルス幅がデジタル値で入ってます。

それから、送信機毎に異なるIDは3バイトあるようで、全部を使い切ったらかなりの数です。多分、普通は同じIDの送信機とめぐり合うことはないくらいのパターンがあります。

周波数ホッピングのパターンは16種類。ホッピングの間隔は1MHz間隔で、2.4GHz帯でISMバンドとして割り当てられている帯域は50MHz以上あるので、ホッピングパターンが違えば、同じ周波数で送信しちゃう確率はかなり低いし、たまたまぶつかっても、次のホップ先でまたぶつかることはほ
ぼないので、そういう意味で、干渉には強いですね。

何台ものプロポで同時に送信していると、衝突する確率は高くなってくるので、IDの数だけ同時に送信できるわけではないですけど。

更にいうと、今までのAMやFM方式なら20msec周期で制御信号を送信していたのに対し、22msecで16回の制御信号を送信しますので、16回のうちの1回でもデータが届けば、今までとあまり変わらずに操作が可能ということになります。そういう意味でも、混信になるってのは、そうは起こらない
んだと思います。

ちょっと話が飛びますが、レスポンスの話。

既に説明したように1.4msec毎に制御信号を送信しますが、9XRのようにプロポからのPPM信号を2.4GHzの信号に変換するような方式の場合、送信モジュールが送信する信号は約20msec周期でしか更新されないので、今までのアナログプロポに比べて早くなる要素はありません。

むしろ、PPMを取り込んで2.4GHに載せかえるところで遅延が発生します。そういう意味で、最近の2.4GHzプロポがモジュール式じゃなくなっているのは、こう言う理由があるかもしれません。

何しろ、1.4msec毎にプロポのポテンションメーターの値を読み込んで送信するということもやろうと思えば可能であり、今までの20msecに1回に比べると単順に考えても18msec以上は早く情報を伝えられるわけです。

実際は、サーボのレスポンスもそれほど速くないですし、そもそもサーボ自体が20msecに一回しか制御をうつけないようなものですので、気づく人は気づく程度なのかもしれませんけど。

でもまあ、モジュール式じゃないプロポにはそういう可能性もあるんですね。


更に話は飛んで、最近テレメトリーとかやけに聞くようになりました。これもこの2.4GHzのチップによる影響だと思います。

そもそも双方向通信用に開発されているチップですので、小さなチップの中に送信機と受信機が入っているわけです。で、実際には、送信機では送信部だけ、受信機では受信部だけを動かして使っているわけです。

これをちょっと細工して、交互に送受信を動かすようにするだけで、簡単にラジコンプロポでも双方向通信が出来るわけです。

ただ、言葉では簡単でも、実際はそれなりに難しいところもあるんだと思います。

テレメトリーシステムで使われている送受信機のホッピングの周期は知りませんが、仮に1.4msecでやるとすると、その期間に送受信して周波数を変更してという処理をしなくてはなりません。

今はマイコンの方も高性能・超小型化が進んでいるので、なんてことは無いのかもしれませんが。

それから、通常、ラジコンの送信機の送信モジュールには、チップの後段にパワーアンプがついています。

受信機側にはこれがありませんから、仮に単順に受信機が送信するように改造したとしても、マシン側からプロポ側に電波が届きにくいことになります。

となると、受信機側にもアンプが必要になったりして、単順に同じものでFWを変更するだけという訳にはいかないかもしれません。


と、そんな感じで、なぞめいていた2.4GHzのシステムが、最近とても身近に感じれるようになりました(笑

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